永田町の第三極を狙う「日本維新の会」(橋下徹代表)から、国会運営をめぐる不協和音が聞こえてくる。国会議員団の一人が「橋下独裁にはしない」と言い出したのだ。さて、橋下人気にどんな影響が出るのか。
「お客さまではない。言わしてもらう」と威勢良かったが…
ことの起こりは9月29日(2012年)の「日本維新の会」公開討論会で、竹島の領有権に関する橋下発言をめぐって、松浪健太衆院議員が「誤解のないように配慮すべきだ」と発言したことだった。その後も、松浪はブログで「橋下独裁にはしない」という見出しで「もはやお客さまではない。言うべきことは言わしてもらう」と啖呵を切った。
このブログを見ていた橋下がさっそく反論した。「変なパフォーマンスに走ってもらっては最悪ですよ。本人にも言ってあります。松浪議員だって日本維新の会に所属しなければマスコミにブログのチェックなんてされてないんですから、いろいろ考えてもらわないといけない。
国会議員団の大きな方針や戦略で有権者の皆さんが本当に聞いてくれるというのであれば、日本維新の会に所属しなくてもいいじゃないですか。やはり大きな方針とか戦略については、今の国会議員団より僕の方が長けています」
ズバリ本音でクギを刺し形になり、勝負あった。
火をつけた松浪は2002年に大阪10区の衆院補欠選挙で初当選する前には、産経新聞の整理部を経験しており、「僕は整理部にいたんで、いつも見出しはきつく書くようにしていた。誤解を与えたかもしれない」と苦しい釈明をした。
コメンテーターの北川正恭・早大大学院教授は「ベンチャーですからこういう騒動が起きても仕方がないこと。じゃれているだけ。そんなこと合体する前に話し合いで決めておけという感じ。これでは心もとない」とただ呆れるばかりだった。