いずれ漏れて地下水とともに地表で汚染
京都大学大学院・植田和弘教授は「断層だけの問題ではありません。地下水の問題もある。もし地中で高レベル放射性廃棄物が入った容器が破損して地下水に入り込み、その地下水が地表に出て来たらどうなるのか」と語る。
国谷が「なぜ高レベル放射性廃棄物の処理問題がこれまで放置されていたのでしょうか」
植田「これまでは原発敷地内で仮の処理をして、200年後に取り出して最終処理をするということになっていましたが、それでは追いつかない現状となっています。その一方で、最終処分場が見つからない。そうしたことからこの問題が浮上してきているのです」
国谷「政府は最近になって、総量管理・暫定保管という方針を打ち出していますが、これはどのぐらいの現実性があるのですか」
植田「これらの方針は、1つは国民の議論を待つため。もう1つは放射能汚染を減らす技術が開発されるまでの時間稼ぎです」
多量の高レベル放射性廃棄物の処理見通しがないまま、野田内閣は原発再稼働、建設再開に踏み切り、自民党はさらなる新増設を主張している。
ナオジン
*NHKクローズアップ現代(2012年10月1日放送「10万年の安全は守れるか~行き場なき高レベル放射性廃棄物~」)