阿部祐二リポーターがスタンドから「世界最強の乙女だ!」と叫んだ。おととい29日(2012年9月)にカナダで行われた女子レスリングの世界選手権で、55キロ級の吉田沙保里が4試合連続でフォール勝ちし、五輪を含む世界大会で前人未到の13連覇を達成した。
1グラム単位で調整する厳しい体重コントロール
阿部が試合前の吉田に密着した。前日に行われた計量で、阿部は「吉田さんは55キロ級。1グラムでも超えたら試合には出場できません」。計量結果は54.9キロだった。司会の加藤浩次は「その差はたった100グラム。良くそこまで体重をコントロールできるものだ」と驚く。
栄和人監督は「ロンドンオリンピックを終えて50日あまり。毎日ハードスケジュールが続いたので、納得できるような練習はできなかった」と試合前に話していた。しかし、初戦、2回戦、3回戦をフォール勝ちして圧倒的な強さをみせたが、準決勝の相手のシニシン(ウクライナ)は欧州女王でさすがに手強い。第1ピリオドにマット際で投げられてポイントを先取される。しかし、吉田は冷静さを失わず、片足タックルで第2ピリオドを奪うと、第3ピリオドで疲れた相手を抑え込んだ。
阿部「今回の勝利で、男子グレコローマン130キロ級で世界大会12連覇、61連勝を誇り、霊長類最強と呼ばれたアレクサンドル・カレリン選手を超え、オリンピックと世界大会で合計62連勝を達成しました」
余裕感じさせる試合っぷり
加藤「どこまで勝ち続けるのだろう。14連覇、15連覇とまだまだいける気がする」
コメンテーターの杉山愛(元女子プロテニス選手)「試合の様子を見ていると、吉田選手は余裕を持って臨んでいるようですよね。連覇はまだまだ続くでしょう」
V14は来年の世界選手権だが、その選考会となる全日本選手権が12月にある。