「中国共産党大会」でトップ交代が潮目か
小倉「この緊張状態はいつまで続くのだろう」
宮家邦彦(外交評論家)は「中国政府の本音は新しい日本政府と話し合いたい、仕切り直しをしたいということです。野田政権とは話ができないと考えているのでしょう」と分析する。笠井によると、「日中間を飛ぶ飛行機ではすでに6万席近いツアー客のキャンセルが出ています。日本から中国が2万席、中国から日本が4万席となっていて、これがいつまで続くのか見通しは立っていません」という。
小倉「こうした状態が長引けば、日本と中国双方の経済に影響が出るのではないですかね」
ショーン川上(経営コンサルタント)「共産党大会が始まれば沈静化すると考えられますよね。日中国交回復の時の田中・鄧小平会談で領土問題は棚上げしようという合意があった。その領土問題を表面化させないために尖閣諸島を国有化した、という説明を中国側にうまくできなかった。裏チャンネルを使っての説得にも失敗したようです」
おそらく、中国政府もそんなことは百も承知、二百も合点だろうが、「はい、そうですか」では国内が納得しない。そこで、少し暴れさせようということを決めたのだろうが、「人民」の不満は思いのほか強く、「反日」を口実に「全土で暴動」という事態になりかけて、慌てて抑え込んでいるというのが今の段階だろう。しばらくは日本政府批判を続け、次第に「日本の一部反動勢力批判」に対象をズラしていって、政府間で仕切り直しという戦略に見えるが…。
文
ナオジン| 似顔絵 池田マコト