尖閣侵入の台湾船長を直撃!「釣魚台に最も近づいた男」が語った意外な事情

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   おととい25日(2012年9月)、台湾の漁船が大挙して尖閣諸島海域へ繰り出し、約50隻が領海に侵入して海上保安庁の巡視船が放水するなど一時は緊迫した事態となった。親日的といわれる台湾の漁師の狙いはどこにあるのか。「とくダネ!」取材班が現地で探ると、意外な本音が見えてきた。

「領有権興味ない。漁の権利認めて欲しいだけ」

「釣魚台(尖閣諸島の台湾名)を守った英雄が戻ってきた」

   26日の台湾の新聞には大見出しが躍る。「釣魚台へ向かった勇敢な台湾人に直撃インタビュー」なんていう記事もある。「とくダネ!」は「尖閣諸島に最も近づいた男」として台湾メディアに英雄扱いされていた台湾漁船団の陳建明船長(52)に話を聞いた。短髪の精悍な感じの男性だ。「2カイリ半のところで向こうの巡視船が急に向かってきた」と興奮気味に語る。自宅は尖閣諸島から180キロの台湾東海岸に位置する小さな港町で、古い集合住宅だという。妻(48)と娘夫婦、孫らの8人家族で暮らしている。

   さっそく、船に案内する。「これが私の船。放水でガラスを割られたよ」と指さす。新式とはいえそうにない小型の漁船だ。船は自分の所有だが、インド人の船員5人へ支払う給料や年々高騰する燃料代で生活は楽ではないという。妻は家計を助けるため魚料理の屋台を営んでいる。食材は尖閣沖で獲ったサメ、イカ、マグロなど。マグロの刺身がおいしそうだ。

   部屋のソファで船長が熱っぽく語る。「日本が統治していた時代、尖閣沖は私たちにとって大きな財産だった。この付近の漁師は100年前から尖閣沖で漁をしていた」。今回、尖閣へ向かったのも、そうした漁の権利を認めてほしいという思いからだった。

「私の目的は、このことを日本人と国際社会に伝えることです」

そばから妻も「生活を守るためにだけ闘っているのです。それだけです」という。部屋を見回すと、炊飯器も冷蔵庫も日本製。棚の上にはビニール袋入りの北海道産のふりかけのようなものも置かれている。

   尖閣諸島へのデモは中国本土に進出している台湾企業グループの寄付で行われた。反日ではないといっても、尖閣諸島の領有権を主張する中国の宣伝に使われているのではないかと質問すると、船長は「島の領有権に関して、漁師たちは一切興味がない。領有権のためではなく、生活のためにやっている。漁師はみんなそうだよ」

文   一ツ石| 似顔絵 池田マコト
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