40年ぶりの決選投票で自民党総裁に返り咲いた安倍晋三元首相(58)は、近いうちに行われる総選挙を経て再び首相に選ばれる可能性が高いが、5年前に政権を投げ出したという記憶はまだ新しい。今度は大丈夫なのか。「とくダネ!」は復帰への不安を払拭できるかどうか点検した。
夫人が「脱原発」の安倍新総裁「ゼロか維持か」家庭内論争
安倍氏小泉純一郎元首相の後任として2006年、戦後最年少の52歳で首相に就任した。内閣発足当初は高い支持率だったが、親しい議員をとり込み「お友達内閣」と揶揄されたり、閣僚の不祥事が相次いだりしたほか、年金問題への不手際などが重なって2007年7月の参院選で敗北、9月に辞任を表明した。実際は潰瘍性大腸炎の悪化が大きな理由だった。
スタジオには時事通信解説委員の田﨑史郎が出演した。司会の小倉智昭が聞く。「総裁選は田﨑さんの読み通りでしたが、この結果をどう受け止めていますか」
田﨑「私はよかったと思っています。石破(茂)さんが最善かと思いましたが、党内をまとめる力量は安倍さんの方が高いので、うまくいってほしいなという期待があります」
小倉「5年前に投げ出したというイメージがまだまだ強いですね」
田﨑「その通りですが、僕は首相を辞めてから安倍さんと付き合いをはじめましたが、快活さというか、ある種のオ―ラがあります。この点で石破さんに比べ一日の長がありました」
小倉「話してみて感じるのは、たしかに頭がいいし、感じもいい。ただ、お友達内閣と批判されました」
田﨑「安倍さんの政治家としての最大の欠点は、非情になりきれないところ。寄って来る人を大事にしてしまう。1度失敗したのだから乗り越えて行くべきです」
小倉「海外の論調では最もタカ派といわれていますが」
田﨑「中国、韓国をいたずらに刺激しそうな発言をしている。いざ首相になれば現実的対応をすると思いますが、危うさはありますね」
小倉「原発ゼロには慎重のようです」
田崎「昭恵夫人は脱原発なんです。家庭内論争があるらしいですよ」
とまあ、新総裁への不安を指摘するというより、エールを送った感じだ。