きのう25日(2012年9月)午前8時過ぎ、尖閣諸島・魚釣島の領海に台湾の漁船40隻と巡視船12隻が侵入した。日本の巡視船が一部で放水するなどした結果、10時過ぎ台湾船は領海の外に出た。
台湾船には大勢のテレビクルーが乗込んでいて、「一触即発です」などと生中継で海上チェースを報じていたが、中国漁船のような体当たりにまではいたらず、最悪の事態にはならなかった。このあたり「阿吽の呼吸」と見えなくもない。
台湾も「領海侵犯」テレビ中継の大宣伝
それにしても、東日本大震災ではいち早く救助隊を派遣し、200億円もの義援金を贈ってくれた親日の台湾が、いったいなぜこんな暴挙に出たのか。漁船には赤地にシロ抜きで「旺旺」と大書してあったが、これは中国進出で成功した台湾の製菓会社の名前だ。製品のロゴまで貼ってあったのは、今回、漁船の燃料代1300万円を出していたからだった。
この会社は台湾のテレビ、新聞、雑誌も買収しており、親中姿勢がはっきりしている。メディア買収には批判もあるほどで、漁船からの中継放送も含めてどうやら思惑は明らか。背後に中国の影もちらついていて、本格衝突を避けたという点では、むしろ中国の意図が働いていたのかと勘ぐりたくもなる。
日中国交回復40周年記念事業が次々に中止になる一方で、在京中国大使館はきのう東京で中国建国63年記念パーティーを開き、財界首脳などがにこやかにしていたのも不思議な光景だった。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト