台湾「味方に付けるか敵に回すか」欲しいのは尖閣でなく漁業の共同操業

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   中国が強硬に領有権を主張し始めた尖閣諸島の海域に25日(2012年9月)朝、今度は台湾の巡視船を含む漁船団が押し掛けてきた。海上保安庁の巡視船が領海に侵入する漁船を放水で追い払おうとすると、台湾の巡視船も放水で応戦するのだが、注意して映像を見ると何となく控えめだ。

「日中漁業協定」で締め出し状態

   やってきた台湾の漁船は40隻、これに巡視船12隻が加わり、午前7時ごろ日本の領海に侵入した。漁船を海保の巡視艇が放水で追い払う。すると台湾の巡視船が海保に巡視船に向けて放水する。ただ、台湾側の放水は海保の巡視船に届かないように上に向けて放水しており攻撃に意図ななさそうだ。

   そんな繰り返しを続けたあと、漁船団は「目的を達した」と領海外に引き上げていった。漁船には漁具などが積まれておらず、漁船の種類もタイプがバラバラで、別の港から寄せ集めて示威運動のためにやってきたようだ。

   尖閣問題に詳しい東海大海洋学部の山田吉彦教授は、「漁業関係の調査のために8月に台湾を回ってきたが、現地では、尖閣に関して中国と連携するようなことは100%ないと言い切っていました」という。

   では、なぜ漁船団を組んで日本の領海に侵入してきたのか。山田によると、尖閣海域の漁業権の問題があるという。この海域は好漁場で、日本と中国の主張がぶつかり合う尖閣周辺の曖昧な中間海域は、日中漁業協定で互いの漁を認め合ってきた。しかし、中国は台湾の漁船がこの海域に入ることを認めず、日本も中国の立場を考えて、この海域で台湾の漁船を取り締まってきた。

   もともと、この海域は戦前から台湾の漁船も日本の漁船も一緒に漁をしていたところで、台湾は1996年から16回にわたりこの海域での操業を求めてきたが進展しなかった。今回の漁船団の示威はその漁業権の確保に対するメッセージだという。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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