きのう23日(2012年9月)に大阪で行なわれた「大阪維新の会」の2回目の公開討論会に、ジャーナリストの田原総一朗氏が登場した。たちまち「朝まで生テレビ」状態の3時間になった。「ちょっと待って、橋下さんの意見を聞きたい」「とっても危険な意見だ」「そういうことを言うから国会はつまらない」「なんで農協はTPPに反対してるのか」…
松井大阪府知事に「それじゃあ鳩山さんと一緒だよ」
橋下大阪市長は冒頭、「自由にお好きなように突っ込みを」と話したが、本来は有識者として会に合流する国会議員の「面接官」の役どころのはず。ところが、いつものペースで司会を始め、国会議員よりもむしろ橋下や松井大阪府知 事に質問の矢が向けられた。
尖閣諸島への自衛隊の常駐では、「すべきだ」(山田宏・前杉並区長)、「いまの段階では反対」(橋下)と食違いを引き出し、橋下をただして、竹島問題には「共同管理」という考えをはかせた。「外交の基本は積み重ねられた事実。武力でひっくり返すわけにはいかないから」という理由だ。沖縄・普天間基地の辺野古移転では、橋下は「他の案がいま頭にない」「ボクら専門家じゃなくて、単に票をもらった人。専門家に聞いて、案がなければ沖縄の人に説明して…」と言い、「普天間を受け入れる覚悟はあるか」という質問に、松井大阪府知事が「覚悟はありますよ」 と答えると、「それは鳩山さんと一緒だよ」
さらに、目玉の道州制では「兵庫、京都、滋賀が反対してる。どう説得するの?」と問い、橋下が「説得はできないから選挙で決めるしかない」と答えると、「乱暴すぎない。あいつらバカだから間違ってるということ?」と、とにかくやりとりは面白い。発言のほとんどを田原と橋下が占めた。
公開討論会後も終田原は「まだまだこの会は橋下商店だと思ってる。他の人は遠慮してる。一部の人しか発言してないんじゃダメ。非常に残念」と手厳しい。
「入会面接」の国会議員の発言4分。「一部の人しか発言してないんじゃダメ」
司会の羽鳥慎一「やっぱり仕切っちゃうんですね」
コメンテーターの石原良純(タレント)「田原さんが出てくると面白くなる。ただ、他の人はしゃべらないというが、田原さんがしゃべりすぎ」
黒宮千香子アナが発言時間をフリップで見せた。2人の国会議員 が4分台なのに、田原が34分、 橋下が54分。たしかに田原はしゃべっているが、橋下にはもっとしゃべらせたことがよくわかる。
石原「維新の会が何をしたいのかがよくわかった」
青木理(ジャーナリスト)「見えてきたものはある。ひとつは現実感覚が薄いこと。また、単に票をもらった人で、専門家の話を聞くんだとなると、これまでと同じで、国政と向き合ったときにはたしてどれだけできるかですよね」
羽鳥「田原さんの進め方は賛否ありますけど、きのうのを見てるかぎり、さすがだなと思いますね」
そう、新聞は伝えない中身だが、見ていると面白い。重要なことだ。