京都の宗教施設内で68歳の信者が自分の妻を含む他の信者に暴行され死亡した。教義に反すると喫煙をとがめられ、謝らなかったというのが暴行の理由らしいが、2時間も集団暴行を続けたこの教団はどんな集団なのか。
タバコ吸ったの咎めたのに反省しなかったから
事件があったのは、京都市南区の宗教法人「空海密教大金龍院」で、16日(2012年9月)午前10時ごろ、教団施設内のトイレで京都市内に住む会社経営の南部忠之社長が倒れているのが発見された。南部社長は心肺停止状態で、搬入先の病院で死亡が確認された。死因は全身打撲による出血性ショック死だった。
京都府警は傷害致死の疑いで信者の増田敦士容疑者(46)ら9人を逮捕したが、この中には被害者の妻の南部洋子容疑者(67)も含まれていた。
新興宗教では教祖と信者が一緒になって信者に暴行を振るうケースがたまに起きているが、空海密教というからには真言密教に関係のある由緒ある宗派のはずだ。宗教界に詳しい専門家は、「空海の教えに違反したということではなく、今の『大金龍院』がやっている道場の中での自制、いわゆる嗜好品とかそういうものを遠ざけることで拡大解釈があったかと思う」という。
普段から怒号が響き、大声で泣き叫ぶ女性
逮捕された妻の洋子は、逮捕される前日にあった葬儀で喪主を務め、弔問に訪れた客に何度も涙を流していたという。洋子の兄の話によると、「夫婦仲が良いんで皆さんの評判もよかった。妹は穏やかでああいうことをする人間ではないんですよ。夫も人当たりのいいし人だったし…」と話す。洋子は3、4年前、恐くなり教団を一時逃げ出したことがあったという。どういう経緯かは分からないが、最終的には戻っている。
近所の人は「教団は昨年暮れから何かが変わったようで、男性が怒号をあげ、何かで叩いている音や女性が大声で泣き叫ぶ声が聞こえた」という。別の住民は「4月になると5、6人の女の子が入信してくるが、きまって朝方になるとものすごい泣き声が聞こえてきていた」と話す。京都府警は他にも暴行の事実があるとみて調べを進めるという。
コラムニストの勝谷誠彦「こういう場合、どういう教団の教義か、レポーターの阿部祐二さんに取材してほしかった」と苦言を呈したうえで、「この空海密教はおかしいなと思わなければおかしい。(被害者の)南部さんって京都では有名な人ですよ。そういう人も入っちゃう」と話す。南部さんは京都市内で子どもの呉服で有名な会社を経営していたという。
キャスターのテリー伊藤「もし妻が暴行に加わらなかったら、彼女も暴行されていたかもしれないね」