「なんだ、これは!」。司会のみのもんたが声を張り上げる。約10兆5000億円の増税などからなる東日本大震災の復興予算の総額19兆円の使い道がおかしいというのである。きのう21日(2012年9月)は「核融合研究に42億円」が槍玉にあがったが、きょうも不適切に見える支出が続々と登場した。
霞が関合同庁舎改修12億円、全国の道路整備273億円、国立大学改修389億円
なかでも目立つのが「改修」費用だ。霞が関の合同庁舎の改修12億円、被災地以外の3つの税務署の改修5億円、沖縄の小中学校改修に31億円、被災地以外の国立大学改修389億円、被災地以外の全国の道路整備273億円などがある。
被災地以外の施設改修がなんで復興なのか。増税までして捻出した復興予算でやるべきことなのだろうか。その根拠は、政府の「東日本大震災からの復興の基本方針」にあるそうだ。そこには、東日本大震災を教訓として、全国的に緊急に実施する必要性が高い、防災・減災のための施策を行う等と定められているという。
だから防災も復興。核融合もなんでもかんでも復興だ。復興にこじつけて予算にたかってるように見えないでもない。野党議員などから「シロアリ予算」との批判が出ているが、予算を消化する方は「復興」の名に何ら恥じるところはないようだ。
「防災が緊急的に必要。予算の事情で(これまで)改修できなかったので…」
核融合研究を行う日本原子力研究開発機構は「朝ズバッ!」の取材に、「茨城の研究施設の管理棟が震災で一部損壊したこともあり、施設の整備を行う」「被災地の青森や茨城に研究拠点をつくることで、地元の経済発展、雇用拡大につながる」と答えたという。
国交省の担当者は合同庁舎改修について、「緊急性を要するもので、被災地の復興と同時に進めるべきだ」「お金は無尽蔵にあるわけではない。そうしたなかで、復興の基本方針が示されたので、今回改修を行う」とコメントしている。また、税務署については「復興の基本方針のとおり、全国的な防災が緊急的に必要。予算の事情で(これまで)改修できなかったが、税務署の改修も重要だ」としている。