身に着けるアクセサリーなどの金属アレルギーが増えているという。女性の3割以上が金属によるかぶれを体験し、男性の約4倍だ。この金属アレルギーはアクセサリーだけでなく、化粧品、食事の具材、虫歯予防の詰め物でも発症する。金属アレルギーのメカニズムを皮膚科医の中山秀夫医師はこう解説する。
「汗などで金属が皮膚に染み込むと、異物と認識して免疫細胞が攻撃して皮膚の表面に湿疹や炎症を起こすんです。金属アレルギーは初期は特定の場所だけの湿疹ですが、金属類を外さないでいると免疫細胞が出続けて、他につけている金属でのアレルギーも引き起こします。このアレルギーは一生消えません」
足の裏が固くなり、皮膚が変色して感覚がなくなった!
中山あずみさんは化粧品のかぶれからアレルギーが悪化した。「顔全体が腫れあがり痛くて痒くて膿も出たり血も出始めました」と話す。その後、硬貨を触ると指がボロボロになるほどかぶれ、携帯電話や財布のジッパーでも反応が出て、家の鍵も素手で持てなくなった。
大竹美絵さん(仮名)は3年前に足の裏が固くなり、皮膚が変色して感覚がなくなる奇病の襲われた。何が原因なのか内科ではわからず、皮膚科のパッチテストで判明した。ニッケルとパラシウムの体内反応が陽性だった。原因は食生活で豆類などの過剰摂取だった。
診断した加古川医療センターの足立厚子部長は、食べ物の中の金属類について、「食品の中でニッケルが多く含まれるのが豆類、チョコレート、ココア、海藻で、クロムが多く含まれるのはチョコレートとココアです。ただ、金属アレルギーは一挙にアレルギー状態にはならず、ジワジワと進行しますので対応は落ち着いてできます」と解説する。