中国の暴徒デモが止まらない。きょう9月18日(2012年)は満州事変のきっかけとなった、旧日本軍の自作自演の柳条湖事件があった日で、最大規模のデモが予想されている。なぜこれほど過激なデモが拡大し続けているのか。拓殖大学の石平・客員教授によると、日本政府による尖閣諸島の国有化問題とは別に、根っこは2つあるという。
反日暴徒は負け組「日系スーパー・日本食レストラン利用できるのは勝ち組・富裕層」
石平教授はこう話す。
「反日デモで目立つのは20~30代の若者です。1990年代から中国政府が始めた愛国・反日教育の中で育った世代で、余計に日本に対する憎悪感、憎しみの感情が強いんです。もう一つは、反日感情だけでなく、彼らがいま置かれている環境に対する不満が大きい。市場化の中で貧富の差が拡大し、若者たちの間で勝ち組と負け組の落差が大きくなっています。(デモに集まった)彼らから見れば、日系スーパーも日本食レストランも利用できるのは富裕層で、自分たちには縁のない世界なんです。そういう世界に対して不満あるいは反発を持っています」
デモの中に故・毛沢東の肖像写真を掲げた若者が目立ったのも、格差社会を生んだ現中国政権への抗議のだという。そんな現政権への不満と反日感情がごちゃ混ぜになって過激なデモといいうか、暴徒となったのか…。
気になる「ニューヨーク・タイムズ記者たちも中国寄り」
キャスターのテリー伊藤と東大のロバート・キャンベル教授の間でこんななやり取りがあった。
テリー「ナチ時代のユダヤみたいな感じですよ。中国で日本語も喋れない。日本人だともいえない、日系レストランに行って食事もできない。世界中が見ているんで、(中国人は)意識を変えないと一流国になれないですよ。観光客も行かなくなる」
キャンベル「客観的な事実としてはその通りですが、ただ困ったと思うのは、けさのニューヨークタイムズで、みんな優秀な記者たちが中国に行っていて、その彼らが世論として中国での発言を捉えていることです。日清戦争で奪われた国土を取り戻そうという気合みたいなものを…」
テリー「しかし、中国は尖閣を実効支配していませんよ」
キャンベル「それはその通りでけど、そこが世論の怖さです。事実をどういう方法で伝えるか考えなければならないのに、日本はその事実を海外に対してまったく伝えてこなかった。ただ、アメリカに守って下さいという姿勢だけではダメです」
自前の戦略も持たず、ただアメリカ追髄。そのだらしなさが、くしくも尖閣諸島の国有化で露呈した形だ。