尖閣目指す中国漁船1000隻-海保も排除しきれず島に上陸・居つかれる心配

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   中国の反日デモが過激さを増している。日系企業が襲われ、日本人が暴行を受ける事態にまで発展した。海上ではきのう17日(2012年9月)、福建省や浙江省から大漁船団が東シナ海へ向けて出航、うち1000隻は尖閣諸島の周辺海域を目指すという。中国当局は漁船の保護を名目に漁業監視船を派遣するとみられている。日本側は日本の領海、領土を守ることができるのか。

中国政府はトップ交代を前に幕引きタイミングに苦慮

   中国情勢に詳しいジャーリストの富坂聰氏は、「日本が実効支配を失うかもしれない重大な局面になる」と警告する。先週金曜日(14日)に中国の海洋監視船6隻が尖閣諸島周辺の領海に侵入した。海上保安庁の巡視船が動向を監視したが、今回予想される漁船の数はその時の比ではない。富坂は「もし中国が1000隻という単位で日本の領海まで押し寄せてくるということになれば、今の海上保安庁はそれを物理的に防ぐ体制にはなっていない。中国側が本気で上陸しようと思えば可能です。最悪の場合は、しばらく島に居つかれてしまうことになっても不思議ではありません」と話す。

   元在中国大使館公使でキャノングローバル戦略研究所の宮家邦彦氏に、司会の小倉智昭が聞く。「9月18日は中国では満州事変のきっかけとなった柳条湖事件が発生した忌まわしい日とされていますが、反日デモはどうなると思われますか」

   宮家「エネルギーは溜まっています。問題は中国政府です。煽り過ぎると反日デモから反政府デモに変わる。指導部の変わる共産党大会を控え、どこかで幕引きをしなければならないが、そのタイミングが難しい」という。

漁業監視船が領海外側の接続水域に進入

   ここでニュースが入り、アナウンサーの笠井信輔が伝える。「速報です。政府は午前7時前に中国の漁業監視船が尖閣諸島周辺の領海の外側にある接続水域に入ったことを確認し、官邸の危機管理センター内に情報連絡室を設置しました。ということは、漁船も領海ギリギリのところにきているということです。いったい何隻ぐらい来ているのでしょうか」

   宮家「船の話は非常に気になっています。監視船が漁船を煽るか抑えるかで状況は全然違ってくる。煽ったり放置したりすれば、2010年の漁船体あたり事件と似たようなことが起きるでしょう。船がぶつかる。公務執行妨害になる。それを中国は本当に望んでいるのか。日本側も逮捕しなければ2年前は何だったかとなり、略式起訴まで持っていけば中国が黙っていない。日本政府も難しい対応を迫られます。きょうの海の上の動きは今後を占う大きな意味をもっています」

   今後の見通しについて、宮家は「中国も軍事力で尖閣諸島を手に入れようなんて考えていないと思います。それよりも非軍事的手段で日本の実効支配や領有権を揺さぶる。5年でも10年でもやる。我慢比べになるだろう」とみている。

文   一ツ石| 似顔絵 池田マコト
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