いまや20人に1人がうつ病といわれ、治療法は休むことと薬がメインだが、抗うつ剤が効かない人が3割以上もいる。最近は食事を改善することで治ることがわかってきた。ビタミンB1、B2、B6、B12、葉酸、鉄分、亜鉛などのビタミン・ミネラル類、DHA、EPAなどの脂肪酸、トリプトファン、メチオニンなどのアミノ酸が、うつに関係が深いと見られている。
炭水化物とタンパク質ばかりから「野菜たくさん」に変えたらうつ回復
有泉由美子さんは6年前にうつ病に罹った。食事の支度中に急にフラつきを覚え、次には風呂に入りたくないほど無気力になり、死ぬことばかり考える毎日だった。食欲だけはあり、夫が作り置きしてくれた食事と菓子パン、夜食に寿司と1日に8食も食べて、みるみる20キロも太って糖尿病も併発した。
新しく主治医となった吉田寿美子医師から「栄養指導受けて下さい」と言われた。「肥満が解消すればうつ病も改善の可能性がありました。食事内容が変わると明るくなりましたね」(吉田医師)
その栄養指導は野菜を多く食べる事だった。それまでの有泉さんの食事は炭水化物とタンパク質ばかりだったが、「いっぱいの野菜を鍋で煮て味付て、たくさん食べました」と話す。その結果、わずか3か月で中性脂肪の数値が280から173に落ち、糖尿病の指標値も6・3から5・3と改善し、うつ病も回復した。