遺族の複雑な心境「手掛かりないとホッとします。どこかに生きてるかもしれない」
「クローズアップ現代」は再び佐々木さんの姿を追った。往復数時間をかけて娘の手掛かりを求めて気仙沼の浜を歩く佐々木さん。「なんの手掛かりもないと安心します。娘がどこかで生きているのではとホッとして、家路につきます」と語る一方で、「私が天に昇らなければ娘に会えないことはわかっています。だから、私がそこに行くまでそこで待っていてと語りかけています」と複雑な胸中を話した。
津波で姉を失ったノンフィクションライターの生島淳さんがゲスト出演してこう語った。「姉が津波に襲われたと聞いた後、必死で姉を探しました。いま思えば、その探し方は暴走気味だった。でも、見つけることはできませんでした。それで、姉の葬式を出し、その後に姉が発見され少しホッとしました。
県警が懸命に捜査をしてくれています。多少の安心感があるが、マスコミの震災問題は復興へと移っている。今も行方知れずになった家族の消息を求めて捜している家族がいるのだということを、忘れないで欲しいですね」
国谷は「残された家族が心の平安を得るのはいつの日になるのでしょうか」と結んだ。
ナオジン
*NHKクローズアップ現代(2012年9月10日放送「震災不明者を家族のもとへ~密着『似顔絵』捜査~」