原作者の朝井リョウ「高校生には勝てる気がしない」自分さらけ出せる強さ
原作者の朝井リョウはエッセイ集で明らかにされた大学時代から察するに、間違いなく「イケてるリア充グループ」の所属なのだけれど、目線が徹底して「イケてないグループ」なのが良い。物語の冒頭で「できる奴はなんでもできる」と上から発言をぶっぱなしていた「イケてる男子」が、映画部・前田と絡むシーンで見せるピュアさや渇きは、高校生特有のまぶしさに満ち満ちている。
閉塞感と充足感の間みたいな日々が戻ってきそうな錯覚に陥ります。ちなみに、そのエッセイ集で原作者が繰り返すのが「高校生には勝てる気がしない」という言葉。たしかに、劇中でもたくさん青臭くて格好悪いシーンはあるけれど、その弱さ、イタさ、情けなさをさらけ出している姿さえ愛おしいのが高校生という生き物なんだよね……勝てる気しないなぁ。
(ばんぶぅ)
おススメ度☆☆☆☆