四国一円を舞台に、「夫が亡くなった。娘が自殺した」などとウソの身の上話で金をだまし取っていた75歳の女が、高松で逮捕された。それもお遍路姿で「東京へ帰る旅費を貸して」というのだったが、なかには56万円も出していた人もあった。日本人も情に篤い。
手帳に256人の連絡先。四国一円で被害136万円
四国八十八か所のお遍路は四国が生んだ独特の文化だ。高松の人たちも「お遍路さんはそういうウソはつかんからね」「信じるじゃないですか」という。
逮捕された老女は住所不定無職の熊塩孝子。今年(2012年)2月、 高松市内のデパートの前で通りかかった女性に声をかけ、ウソをかたって1万円を借りた。ところが1か月後、高松市内の商店街にお遍路姿でいるのを当の女性が見つけウソが発覚した。
高松北警察署で調べたところ、持っていた手帳には256人分の連絡先などか書かれていた。同じ被害にあった可能性がある。これまでにわかったところでは、おととし4月以降、香川、愛媛、徳島3県で64人が被害にあっており、総額は約136万円になるという。
被害者は功徳と思って「お接待」
司会の羽鳥慎一「お遍路さんもいろいろ事情があるだろうし、どこまで聞いていいかというのもある」
そうそう、首相を辞めてから歩いた人もいたっけ。
四国の人たちがお遍路さんを見る目は特別だ。「お接待」といって、お遍路さんを助けるのが昔からの風習だ。夏は冷やしたタオルを用意したり、夜危なくないように反射ベルトを用意したり。最近は接待木といって、みかん、いちじく、ブルーベリー、ビワなどを植えて、お遍路さんに自由に食べてもらうというのもある。おもてなしすることで、自分の功徳になるという考えだ。
吉永みち子(作家)「それがこんな形で傷ついちゃう」
長嶋一茂(スポーツキャスター)「それが一番怖いこと」
羽鳥「全体が疑われちゃうと、お遍路さんには迷惑ですよね」
赤江珠緒キャスター「容疑者は問題だが、お金を出した人は功徳を積んだことになるということですよね」
藤巻幸夫(ライフスタイルプロデューサー)「75歳 でこれをやるというのも哀れですよね」
お遍路姿も投資だったといことか。うーんと考え込まされる。