「女性のみなさん、自分が何歳まで子どもを産むことができるか考えたことがありますか」。キャスターの菊川怜が真剣な表情で語りかける。検査によって、女性それぞれの持っている卵子の数が分かるようになってきたのだ。その最前線をレポートした。
女性一人一人で違う減少スピード
独身女性のAさん(32)は「結婚してすぐに子どもが産めるかどうか、一度測ってみたかった」と不妊専門クリニックを訪ねた。Aさんが測ってもらうのは卵子の数。アンチミューラリアンホルモン(AMH)を調べるこことで、自分に残された卵子の数がわかるのだ。それによって、自分が何歳ぐらいまで子どもが産めるか知ることができる。検査の方法は血液の採取だけなので約1分で終わる。結果が分かるのは1週間後である。
一般的に女性は200万個の卵子を持って生まれてくる。しかし、そこからは減少する一方で、初潮が始まる12歳では30万個、その後も1回の月経周期に約1000個ずつ減っていく。子どもを産むには数だけでなく、質も重要だ。卵子は年齢とともに古くなり、20代前半を境に妊娠する可能性も低下していく。
Aさんの結果は「AMHの値1.77ng/ml」。個人差があるが、適正値は2.8~5.6ng/mlといわれ、Aさんの卵子の数は同年代の約半分だった。32歳の一般的な女性の卵子の数は約6万個だが、Aさんは約3万個。子どもを産める時間がそれだけ短くなるということだ。医師は37~39歳を妊娠の限界と考えてほしいアドバイスする。
不妊専門クリニックで5000円~1万円
こうした検査を受ける女性が増えている背景には、晩婚化による高齢出産の増加がある。夫婦でクリニックを訪れた人もいる。仕事を持っている34歳の妻がまだ仕事を続けるべきか、それとも出産を先にすべきか知りたかったためだ。
アナウンサーの森本さやかが言う。「いま高齢出産が当たり前みたいになって、有名人の高齢出産のニュースが伝えられますと、それを見て、私も、と思っても、そうできない人もいるわけです。この検査はいつ子どもを産むか、人生設計を考える目安になります」
司会の笠井信輔が菊川に聞く。「あなたは何歳まで産めます。あなたの卵子は多いです、少ないですって、知りたい?」
菊川「いやあ、正直、今わからないですよ」
「日経ウーマン」発行人の麓幸子さんは「まず正しい知識と情報を知ることが一番大切です。それによって、人生の選択肢や優先順位を考えることができる。これまで望まない妊娠をしないための情報はいっぱいあったが、望んだ場合の情報があまりなかった」という。
この検査は全国の不妊専門のクリニックで受けることが可能で、費用は5000円~1万円で、保険適用なしだそうだ。