ワールド・ベースボール・クラッシック(WBC) への不参加を表明していたプロ野球選手会がきのう4日(2012年9月)、決定を撤回して一転参加を決めた。大会の収益配分の不合理を多少とも是正するメドがたったためだ。早くも関心は監督にだれになるのかに移っている。
アメリカ側丸儲けの利益分配は手付かず
選手会が問題視していたのは、スポンサーの半分以上は日本の企業なのに、配分は大リーグ機構と大リーグ選手会が33%づつの66%、日本野球機構(NPB)は13%という点だった。これは、運営形態がサッカーのワールドカップなどと違って、実質は大リーグによる招待試合ということころからきている。
NPBは昨年7月、オーナー会議で配分見直しを求めて交渉したが、大リーグ側は応じなかった。それでもNPBは日本代表チーム「侍ジャパン」のスポンサーを別扱いにすることを条件に参加を表明たが、根本改革を求める選手会が待ったをかけていた。選手会はこれを撤回し、選手会長の新井貴浩(阪神タイガース)は「代表の権利をほぼ確立できたと判断した」と話すが、仕組みは何も変わっていない。大リーグから読売新聞が買い取った日本での興行権、スポンサー料などをNPBが無償で手に入れたといういわば便法だ。
新井は会見で「NPBが先頭に立つ問題なのに、コミッショナーは役割をはたしていない」と、加藤良三コミッショナーへの不満をはっきりと口にした。元駐米大使も形無しである。次の大会までにまだ波乱がありそうだ。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト