世界が大注目!さとうたけし「ペンキ用ローラー壁画ライブ」数分で描き上げ

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   絵筆はペンキ用のローラーだけ。下書きなしで壁いっぱいに描いた女性ダンサーの顔や夕焼けのビーチ、満開の桜の木…。これを3分から5分足らずで描きあげる。ライブペイントアーチストの「さとう たけし」35歳の作品だ。

高さ2メートル横3メートルのキャンパスにたった3分で富士山

   「スッキリ!!」のスタッフが訪れたのは宮城県大河原町の自宅アトリエだ。ここでパフォーマンスの練習や原画の制作を行うという。絵筆はホームセンターで売っているペンキ用のローラーで1本600円程度という。高さ2メートル、横3メートルのキャンパスを前に、まずイメージトレーニングとして音楽に合わせてシミュレーションしたあと、3分で書き上げたのは富士山だった。

   さとうは「ローラーを使うとさまざまな表現が可能だ」というが、ここまで到達するには才能だけではなく、努力の連続があった。子どもの時から人前で絵を描くのが好きだったという。しかし、高校を卒業後いったん自動車部品工場に就職する。19歳の時、観光で訪れたアメリカで目にした巨大壁画アートに魅了されてしまった。

   絵への思い断ち難く、工場をやめて渡米。独学で壁画アートの手法を学んだ。その時のことを次のように語る。「最初は全然、描き方が分からず、図書館に通って壁画の描き方の本を手あたり次第に読みました。あとは実践でした。『ご自宅の子供部屋に絵を描きませんか』とか片言の英語で言って直談判。『気に入ったらお金払ってやる』とか言われて、壁画アートのテクニックを磨いていった」

   帰国後、友人の紹介などでさまざまな店舗に壁画を描いた。すると、作業を道行く人が立ち止まって見るようになった。そして、噂を聞いたアメリカのファッションブランドや商業施設から壁画の依頼が来るようになった。ただ、長くは続かなかった。印刷技術の進歩で仕事が除々に減り、「何とかPRしないと…」と、人前で壁画を描くことを始めた。これがライブペイントの始まりだった。

   最初は1時間、30分かけて描いていたが、これでは観客は途中で帰ってしまう。「最初から最後まで見て欲しい。それが壁画アートだから」との思いだった。描く時間を短縮する練習を繰り返しながら思いついたのが、ローラーだけを使って描く手法だった。

韓国・麗水万博で日本代表パフォーマーとして招待

   こうして工夫と努力で新境地を切り開いてきた成果が、6月(2012年)に環境問題をテーマに開かれた韓国・麗水万博に日本代表のパフォーマーとして招かれた事で実を結んだ。この時は900人の観客を前に5分で地球を描いた。

   写真に縮小された作品がスタジオに持ち込まれたが、5分で描いたという女性の幸福そうな顔を描いた『結婚』は、とてもローラーで描いたとは思えない繊細な睫毛や髪、それに頬の陰影が見事だ。

   キャスターのテリー伊藤「キメ細かいですね」

   ロバート・キャンベル(東大教授)「バラには奥行きがあって、印刷技術が進んでも手書きの良さにかなわない」

   埼玉県越谷市のショッピングモール「イオンレイクタウン」で、昨年2月に描いた動物たちの壁画アートが見られる。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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