FNNが行った世論調査によると、次の衆院選の比例代表でどこに投票するかを聞いたところ、大阪維新の会が自民党、民主党を抑えてトップに立った。代表の橋下徹大阪市長自身が「それはおかしいですよ。それはない」と驚く結果に、他政党は大きなショックを受け、選挙に不安を抱える政治家たちの維新詣でがますます強まりそうだ。この勢い、果して、どこまで続くのか。
とにかく1回投票しないと気が済まない有権者
9月1、2日(2012年)に全国の有権者男女1000人を対象とした電話による調査で、いちばん多かったのが「大阪維新の会」で23.8%、次が自民党の21.7%、続いて民主党の17.4%だった。「これには本当に驚いた。まさか民主、自民を抜くとは」と司会の笠井信輔。
ゲスト出演の田﨑史郎(時事通信解説委員)は「2週間前の読売新聞の調査では、大阪維新の会は自民党に次いで2番目でしたが、維新の会が伸びているということですね。その理由のひとつは、既成政党が機能していないこと、もうひとつは橋下さんの言葉の強さだと思います。春先ごろは時間が過ぎれば維新の勢いは衰えるという見方が多かったが、僕は1回投票行動で示さなければこの勢いは落ちないと見ていました。それは、かつての新自由クラブや日本新党と同じです」と分析する。そして、と付け加えた。「ただし、1回限りです。このムードは」
橋下語録のインパクトは3ポイント
「とくダネ!」は過去7年の「橋下語録」から、橋下の言葉の力を検証した。そこでわかるのは、喜怒哀楽のメリハリがはっきりしていることだ。記者会見で涙を見せることもあれば、質問する記者とけんか腰で渡りあうこともある。アナウンサーの田中大貴が3つのポイントを上げた。
(1) 国民と同じ目線=「よく笑い、よく怒り、よく泣く」(田中アナ)。「国民がこう感じるだろうというところを俊敏に掴み取るのが天才的」(田﨑)
(2) 自ら敵をつくる=「けんかしながら支持を増やしていく小泉純一郎元首相に近いけんか民主主義」(田﨑)
(3) 不適切発言はすぐ謝罪する=「政治家が胡散臭いとみられている時代に、自分の失敗を認めることは国民に正直だとみられる。そのあたりの謝り方がすごくうまい(田﨑)
女優・歌手の菊池桃子は「強い物の言い方は嫌われる可能性があるのに、支持されているのは、いかに今、みんなが強いリーダーシップを求めているか、ということだと思います」
最後に笠井「こういう状況の中で、自らは次の衆院選には立候補しないといっていますが、どう思いますか」と国際ジャーナリストの竹田圭吾に聞く。「大阪府知事選の時も2万%出ないといっていた。最終的にどうなるか、まだわからない」
田﨑も「解散直後に急に出る可能性はある」とみる。橋下劇場、まだまだ目が離せない。