『あなたへ』
人はみんな帰るところを求めて旅に出る…高倉健6年ぶり主演で問う人生とはなにか

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で
(C)「あなたへ」製作委員会
(C)「あなたへ」製作委員会

高倉健が6年ぶりの主演ということで、田中裕子、佐藤浩市、草彅剛、余貴美子、綾瀬はるか、三浦貴大、大滝秀治、長塚京三、原田美枝子、浅野忠信、ビートたけし…と、幅広い世代のそれぞれのトップ俳優・タレントが顔を揃えた。高倉健とスタッフの息の合ったコンビネーションから生まれる安心感と、次に誰が出てくるのかというワクワクが楽しいロードムービーだ。

先立った妻が残した「局留め郵便」そこには何が書かれているのか

   富山の刑務所の指導技官として働く倉科英二(高倉健)は、50歳を前に刑務所に慰問に来ていた歌手、洋子(田中裕子)と結婚する。彼に独身を貫く人という印象をもっていた周囲は驚く。しかし、洋子は間もなく53歳でこの世を去ってしまう。悲嘆に暮れる倉科に洋子が残した絵手紙が届いた。遺骨は故郷の海に散骨して欲しいと書かれていた。そしてもう1通、洋子の故郷である長崎県平戸市の郵便局留めで届いているという。

   「妻はなぜ、こういう形に…」

   戸惑いながら倉科は妻の遺骨と旅に出た。

   阪本順治監督の「魂萌え!」も配偶者の秘密を解き明かす旅の映画で、亡くなった夫の携帯電話を見事に使っていたが、「あなたへ」では局留め郵便という謎が話を引っ張っていく。10日間という受け取り期限のある局留め郵便が旅の目的と意味をはっきりとさせ、ビートたけし演じる杉野の「放浪と旅の違いは目的があるかないかです」というセリフにも通じている。さらに杉野は「帰るところがあるかないか」ともいう。旅を人生と言い替えてもいい。これがこの映画のテーマだ。

姉妹サイト