首相官邸金曜デモと野田会談―ガス抜きの口実にされる心配
文春の巻頭は「『反原発デモ』野田官邸にのり込んだ11人活動家の正体」である。よほど反原発派がお気に召さないようだ。彼らと野田首相を繋いだのは菅直人前首相。菅に野田が会うよう進言したのは慶應義塾大学小熊英二教授だった。
11人の中には私の知り合いもいるが、文春は、刺青ストリッパー、べ平連礼賛学者、パンクロッカーと書く。たしかによくわからない人たちの集合体ではあるが、だからこそ、この毎週末のデモの意味があるのではないかと、私は思う。左翼過激派も紛れ込んでいるのだが、大多数がフツーの人たちの「原発ってやだよね~」というユルイ集合体だから、オルグなどできっこない。
そうした人たちが三々五々、金曜日の夕方に集まってきて何万人にもなるのは日本のデモ史上初めてであろう。その中のわずかな人間が野田首相と会ったとて、目くじら立てることはない。むしろ、「ガス抜き」はしたと、野田首相側に口実にされてしまうのが心配である。