<パナソニックドラマシアター『東野圭吾ミステリー 浪花少年探偵団』(TBS系月曜日よる8時)>難事件を解決する「浪花少年探偵団」の児童たちとその担任教師竹内しのぶ(多部未華子)の活躍を描く痛快ストーリーだ。
人気の東野圭吾原作、ブームの子役をふんだんにとり揃えるなど、ヒットドラマの要因を押さえているかに見えたが、初回以降ずっとヒトケタ台の低空飛行で、今期連ドラ(ゴールデンタイム)の中では視聴率ドン尻の残念なドラマになってしまった。
おばちゃんたちはヒョウ柄服のステレオタイプ
まえだまえだの2人をはじめ、八木優希、二宮星、濱田龍臣と児童には人気子役が勢ぞろいし、しのぶ先生に惚れる刑事新藤に小池徹平、そのライバルのエリートサラリーマン本間に山本耕史、ほかにも斉藤由貴、温水洋一、段田安則、小日向文世、松坂慶子と、個性派俳優勢ぞろいでかなり贅沢なキャストだ。脚本も原作に忠実で、それほど悪いとも思えない。
そうは言いつつも、実際に見るといろいろ気になる点が目立つ。1番の問題は<浪花>のステレオタイプがひどいこと。近所のおばちゃんたちは揃いも揃ってヒョウ柄の服、ド派手な色使いの服を着用し、なんにでも首をつっこんでくる。全員テンションが高く、空回りしっぱなし。吉本新喜劇じゃないんだからとツッコミを入れたくなるコテコテぶりで胸焼けしそうだ。
いっそ「水戸黄門」の再放送に戻した方がいいのでは…
もう1つは、そんな<浪花>推しのわりには肝心の大阪弁が下手過ぎること。特に多部未華子の大阪弁がひどい。イントネーションがおかしく、聞いていると悪酔いしそうだ。多部ちゃんは嫌いじゃないが、この役はまっとうな大阪弁を喋れる女優にすべきだったのではないかと思う。あるいは、多部ちゃんに決まっていたのなら、いっそ舞台を東京の下町に移して「押上少年探偵団」などとしたほうがしっくりきたのでは。
そもそもこの時間帯は「水戸黄門」の枠で、視聴者の年齢層も高い。「ハンチョウ」はそこそこよかったが、「ステップファザーステップ」はイマイチだったように、親子で楽しめるドラマよりは、「水戸黄門」世代のオトナ向けに作ったほうが視聴率もとれそうだ。いや、悪あがきなどせず、素直に「水戸黄門」の再放送を流したほうが視聴率が良かったりして。
(くろうさぎ)