オリンピック放送や夏休みで休止していた「クローズアップ現代」が1か月ぶりに再開した。ゲストは野田首相だ。キャスターの国谷裕子は「野田総理は国民に痛みを強いる消費増税法を自民・公明両党の協力を得て成立させました。でも、その後の政局運営で自民・公明の反発を招き、2、3日後には問責決議案が可決される見通しです」と伝え、野田政権が末期的状況に陥っている説明する。
これに対し、野田は「決断しなければならない時に決断する政治を行うことこそ政治改革だ」として、「国民の皆様には負担をお願いするが、ここで改革を実行しないと日本の未来はない」といつもの言い分だ。
原発は長期維持「依存率0%で代替エネルギーあるか。火力にはCO2の問題」
国谷「間もなく民主党代表選挙がありますが、次の総理は誰になり、どんな政策を打ち出すのでしょうか」
野田「たしかに視点を変えた政治が必要だが、次に誰になるのかわからない。新しい政策も新しい総理が決まるまで公表しないのが当たり前です」と、民主党代表選出馬の言質は与えなかったが、「民主党も含め、自民も公明も新しい指導者の選挙がある。その結果はそのうちわかる。早ければ2、3日中にわかる」と自信を見せた。
国谷は原発問題に触れ、「大飯原発3、4号機の運転再開決定に対する抗議活動の参加者からは、国民の声が政治に届いてないという声が上がっています。総理は抗議活動参加者の代表との会談で、国民のさまざまな声を受け止めながら方向性を定めていきたいと理解を求めていますが、経済界などには原発維持を求める声があります」と問いかけた。
野田は「大飯原発の再稼働については厳しい安全を課しており、安全性は確保されています。原発に関する意見聴取会や世論型調査では、原発依存率0%という声が確かに多い。でも、0%にしたらその後はどうするのか。代替エネルギーはあるのか。火力に頼ればCO2の問題が出てくる」と言う。口では「脱原発依存」と言っておいて、実際は原発を長期維持していくということなのだろう。