震災の影響で去年(2011年)は自粛されていた怪談話が、今年はどこも解禁になったようだ。芸能人が体験した怖い話や怪談風の演出に、雑誌での特集、進化するお化け屋敷の話題など背筋がすぅ~っと冷たくなる話が数多く登場指定いる。
でも、私は怪談ものがどうもダメ。怖いのが苦手なビビリで、子供の頃からテレビで妖怪が出てきたりすると怖くてしょうがなかった。部屋の隅になにかいるんじゃないか、ドアを開けたら別世界に繋がっちゃっているんじゃないか、ヒヤヒヤコワゴワだった。
それは大人になっても変わらない。深夜、台所の古いシンクからドゥクドゥクドゥクという音がする。水道管に残っていた水が流れた音だということはわかるが、この家に霊が住んでいて、その霊がいたずらをしたんじゃないか、私が何か霊の気に触るようなことをしてしまったのかもしれないと妄想してしまう。でも、なぜか聞きたくなる、ちょっと怖い話というのがあります。
おじさまからは「明るくて親しみやすくてイイ子だね」
これは聞いた話なんですがね、友人の職場にいつも笑顔でおじさまたちから可愛がられている派遣の女の子がいるんだそうです。何をするにも、「はいっ!」と大きな声で返事をしてにっこり。ファッションはいたって普通で、決してフリフリなレースやワンピースでブリブリなんてことはやらない。そして、時におじさんたちにこんな姿も披露する。
「私、結構中身おっさんなんです。焼酎とかガンガン呑んじゃって、どうやって家に着いたかわからないことがよくあるんです」
明るくて、親しみやすい女の子。おやじのグタ話にも笑顔で付き合ってくれ、気持ちよく仕事できるし一緒に飲める。「こんなイイ子がまだ世の中にはいたんだな~」という印象を与えている。しかも、男女の関係ではなく、ボクの可愛い娘、しっかりもののようでちょっとほっとけない女の子といった感じなのだ。
けれど、彼女は陰でこんなあだ名で呼ばれているんだそうです。「貞子」ならぬ「裏子」。実は彼女、裏と表がかなり激しいそうで、笑顔を振りまくのは正社員のみ。派遣社員や外部の人には挨拶も返さず全て無視。正社員がいなくなると、きまって友人と長電話かネットサーフィン。確かに裏子だ。