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「誤送信取材メモ」で1面トップ書いた読売新聞「取材源秘匿なんて知ったことか」

   新聞関連では、文春の「読売新聞『取材メモ誤送信』ネタ元警察官は自殺未遂していた!」という記事も、今の大新聞のお粗末さを浮き彫りにしている。読売新聞西武本社社会部記者が、福岡県警の暴力団捜査について取材した内容を、他社の記者たちに誤送信していた件は、お粗末というしかない。そこには、県警の東署警部補が暴力団関係者から捜査上の便宜を図った見返りに、現金を受け取っていたという情報が書いてあった。

   記者はあわてて受信者全員にメールを送信して削除と情報が漏れないように依頼し、社会部長にも報告していた。だが、読売新聞は翌日、その取材メモの内容を元に朝刊1面トップに記事を掲載してしまうのだ。「『取材源の秘匿』を大原則にすれば、あり得ない判断である」(文春)

   他社もやむなく読売の記事の後追いを始め、取材源として県警警務部監察室のX警視の名が浮上してきた。そしてX警視は自殺を図った。幸い一命はとりとめたが、捜査中の情報を漏らしたという警察内部の非難の目に耐えられなかったのであろう。

   取材源を守るというジャーナリストとして最低限度のことさえ、今の新聞は忘れかけているようだ。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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