被災3高校連合チーム「「相双福島」最初で最後の夏!屈指の好投手相手に大接戦

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   夏の甲子園大会最終日のきょう23日(2012年8月)、「とくダネ!」はもうひとつの甲子園を取り上げた。東日本大震災の被災地・福島県の3つの高校が1つのチームを作り、甲子園に挑戦した話だ。

大震災で部員激減した双葉高校、原町高校、相馬農業高校に特例措置

   福島県の双葉高校はこれまで3度の甲子園出場を誇る名門チームだが、震災で部員の数が激減した。このため、特例措置として同じように部員の減った原町高校、相馬農業高校と連合チームを作ることになった。チーム名は「相双福島」。ユニフォームは違ってもチームは一つだが、双葉高校の仮校舎から合同練習をする原町高校のグランウンドまでは片道3時間以上かかる。そんな悪条件のなかで練習に励んだ。

   福島大会初戦の相手は甲子園出場経験のある強豪・光南高校だった。試合の前に保護者たちは、「君たちが野球で頑張ってくれるので、お父さん、お母さんも、この地で頑張っていこう決意しました。みんなが野球をする姿が、みんなに力を与えると思います」と感謝の気持ちを込めて激励した。

   試合当日、バスの中で3校の校歌を大声で歌って士気を高めた。試合は光南に対し予想以上の健闘だった。初回いきなり先制点を許したが、3回裏にスクイズを決め同点に追いついた。その後は互角に進んだ。バックネット近くのキャッチャーフライや観客席近くのファウルフライの好補など相双福島のナイスプレーが続き追加点を許さない。試合はついに延長戦に入り、12回に1点追加され1対2で惜敗した。

エース猪狩駿君が甲子園の始球式ピチャーに

   試合終了後、泣きじゃくる選手を前に監督は、「ここまでできるというのはすごい。ものすごいと思う。一番いいチームだった。最高の夏でした」と称えた。

   でも、これで終わりではなかった。双葉高校のエース猪狩駿君(2年)には大きな使命が残されていた。2012年8月8日、全国高校野球選手権大会の始球式のマウンドに立つことになったのだ。晴れ上がった夏空の下、仲間の思いを乗せて渾身の1球を投じた。

   司会の小倉智昭「ぼく、ロンドン五輪に行っていて、この話、知らなかった。光南高校のエースはプロ野球5球団のスカウトが見に来るほどの好投手なんですよ。延長でしょ。敗れはしたものの頑張りましたよね。ただ、どうも、来年は連合チームでは出られないようです」と「相双福島」の最後の夏を残念がった。

文   一ツ石| 似顔絵 池田マコト
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