回転すしの人気メニューのエンガワが消えるかもしれない。原因は地球温暖化だという。風が吹けば桶屋が儲かるの話ではないが、北極圏のグリーンランドの氷の融解が急激に進み、カレイ漁が困難になり、輸入の減少が予想されるからだ。
温暖化でグリーンランドの氷融解や水温上昇―漁できず魚は移動
エンガワは普通はヒラメのひれの部分だが、回転すしではカラスガレイで代用しているケースが多い。日本に輸出しているグリーンランドの業者に聞くと、カレイは氷に穴を開けて糸を垂らして釣り上げるが、この5年ぐらい氷が薄くなり過ぎて漁ができなくなくことが増えたためという。全体的に氷が解けたのと水温の上昇が影響しているようだ。
ピンチなのはカレイばかりではない。子どもたちの好きな甘エビもグリーンランドから輸入しているが、エビがより水温が低い北部へ移動してしまい、これまで通り捕れなくなっている。
異変はグリーンランドだけではない。北海道根室では水温の変化でサンマの漁場が従来よりも東に移り水揚げが減っている。このため、回転すしの担当者は「値段が引き合わないときは販売しない場合もあります」といい、サンマが回転すしから消えることもありそうだ。
最近の子どもの好きなすしといえばコーン。軍艦巻きの上にマヨネーズで和えたトウモロコシを乗せたものだが、このトウモロコシもアメリカの56年ぶりの干ばつの影響を受けて生産量が減り、先物価格は40%も上昇している。
文
一ツ石| 似顔絵 池田マコト