尖閣諸島の騒動で石垣島は緊張感が高まっているけれど、沖縄本島では中国人観光客が急増しているという。昨年(2011年)の27倍と聞けば、思わず「何が起こったのか」と言いたくなるが、ビザの緩和で旅行しやすくなっているのだという。
目的は買い物―直行便や豪華客船で続々
きのう21日(2011年8月)昼に放送された同じくテレビ朝日系の「ワイド!スクランブル」の映像が出た。渡辺周・防衛副大臣が北朝鮮の不審船の事例をあげ、「もし次(不法上陸)を意図しているのであれば、海上自衛隊の出番も当然出てくる。向こうが出る段階から、そういう態勢を組むことになるだろう」ときわどいことを言っている。
そんな物騒な話とは無関係に、那覇空港では上海からの直行便、若狭岸壁には豪華観光船が着いて、中国人観光客が続々と入国している。航空便の客では、7月時点で昨年6月の27倍、観光船からは1度に3000人というから驚く。
リポーターの井口成人が岸壁で降りてきた客に「買い物ですか」と聞くと、「もちろん。予算は10万円くらい」「電化製品を買う。金額は決めてない」という答えが返ってきた。
ホテル宿泊も2倍に伸び、大手外資系ホテルの建設も進む。館内表示も中国語で、中国語放送をしたり、両替もできるようにしたいという。「消費額の大きいお客様ですから」
尖閣諸島は?「「中国領土だと思っているけど」「どこの国のものでもない」
この中国ブームの大きな理由がビザ。昨年7月から個人観光客にも数次ビザが下りるようになった。3年間で何回でも来られる。それまでは1回ごとのビザで15日以内だったから違って当然。昨年の大震災で激減した観光客がこのビザで一気に回復した。ただし条件がひとつあって、「1泊目は沖縄」 (初回のみ)となっているのだ。
買い求めるのは炊飯器、カメラ、粉ミルク…と幅広く、額も大きい。平均7万円という。大金を使う割には、店先に出してある試食品は全部食べていくそうで、しっかりしてる。
その観光客に尖閣問題を聞くと、「中国の領土だと思っているけど」「どこの国のものでもない」などさすがに口は重い。日本側も「あまり触れない」「なんともいえない」などと気を使っている。
司会の羽鳥慎一「こんなにいたんだ」
井口「国際通りを歩いていると、日本人と中国人の区別がつかないのですが、中国語がたくさん聞こえてきます。店の人に見分け方を聞いたら、子どもが1人(1人っ子政策)なら中国人だそうです」
東ちづる(タレント)「すごい人なんだけど、中国の人は買い物をしている。日本人は買い物してない。国民同士はいがみ合う必要はない」
青木理(ジャーナリスト)「国と国の関係もあるが、直接話すと気持ちも違ってくる。民間がお互いの顔を見たうえで、外交の話もしましょうとなるべき。2010年は141万人来ていたのが、東日本大震災で減った。今年は戻るんじゃないかといわれているようですね」
そうなってくれればいいけれど、渡辺副大臣は「海上保安庁の手に負えなくなったとき、海上自衛隊が」といっていた。漁船が大挙して押し寄せるなんてことがないように…、それが外交の役割だろう。