激しい内戦が続くシリア北部のアレッポで、取材中の日本人ジャーナリストが銃弾を浴びて死亡した。銃撃したのは政府軍兵士と見られている。番組がトップニュースで伝えた。
「ジャパン・プレス」の山本美香さん!;腕などに銃弾
死亡したのは「ジャパン・プレス」所属の山本美香さんで45歳だった。その時の模様を一緒にいたジャパン・プレスの佐藤和孝さんが電話でこう語った。
「日本時間20日午後9時ごろアレッポで取材中、前方から迷彩服を着た10数人の一団がやってきたのが目に入った。先頭にいた男がヘルメット姿だったので政府軍だと思い、『逃げろ!』と声をかけた。その瞬間、乱射が始まった。距離は20~30メートルなかったと思う。ちりじりになったのでしょう。山本の遺体がそこにありました」
腕などに銃弾を受けた山本さんは病院に運ばれたが、死亡が確認された。遺体はアレッポから国境を越えたトルコ側の街・キリスの病院に運ばれ安置されているという。
紛争地域取材の経験豊富。日本テレビでキャスター経験
山本さんは山梨県出身で、これまでアフガニスタンやシリアなどの紛争地域で取材し、日本テレビなど報道番組のキャスターを務めたこともある。
キャスターのテリー伊藤「覚悟の上とはいえ、こういう場所で取材するのは大変じゃないですか。残念です」
東大教授のロバート・キャンベル「政府軍と非政府軍の区別がつかないところで取材していた。シリアは高圧的な非常に強い調子で弾圧をかけているわけで、どこにいても安全でなかった」
45歳の働き盛りのジャーナリストがこういう形で亡くなるのは痛ましいし、残念でならない。それにしても、非戦闘員を無差別に平気で射殺するアサド政権をいつまでやりたい放題にさせておくのか。