「すごい緊張感で逃げたいと言い合っていた」
そしてメダルのかかった準決勝のカナダ戦。相手はアレックス・ブルースとミッシェル・リ。『ブルース・リー』の大合唱が会場に鳴り響いたのが観戦した加藤には「気になってしょうがなかった」という。
ところがフジカキ・ペアは「相手を応援しているのは感じていたが、何を言っているのかは分からず、気にならなかった」とか。
それよりもメダルがかかった「すごい緊張感で逃げたい、逃げたいと言い合っていた」らしい。
垣岩によると「監督も焦っていて、私にできない技を要求してくるんですよ。クロスを打てと。クロスを打ったことがないので、手で『できないですよ』と合図したら苦笑していましたけど、皆がパニックになっていた」という。
垣岩は「メダルを取って当然という選手の重圧の気持ちがよくわかった」という。
フジカキ・ペアには、世界ランク1位の中国ペアが失格するという幸運もあったが、2人は世界ランク2位の中国ペアとの決勝戦でも驚異的な粘りでいい試合を見せてくれた。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト