火曜日の夜(8月7日)、新宿の「ロフトプラスワン」で雑誌『創』主催のシンポジウムがあった。そのとき、評論家の田原総一朗(敬称略なので呼び捨てでごめんなさい!)と一緒になったので、「谷垣禎一自民党総裁が早期解散を確約しなければ3党合意を破棄するといっていますが、どうなりますか」と聞いてみた。田原は「あれは谷垣が党内で追い詰められて困ってやっているので、どうということはない」とひと言でバッサリ。
彼の言うとおり、翌日、野田佳彦首相と首脳会談したあと、再び谷垣はころっと寝返ってしまった。それも野田の「近いうちに」解散するという子供だましの文言でである。自分が総裁の椅子にしがみつきたいがための右往左往に、あきれ果てる他はない。「週刊新潮」は谷垣を小泉純一郎元総理がこう叱咤したと書いている。
「勝負は今なんだ。消費税を人質にして、野田内閣に解散の確約を迫る。増税法案を通してしまってからでは遅い。相手に逃げられるだけだ。今すぐ不信任案を出してでも、解散に追い込むんだよ」
しかし、リーダーシップが決定的に欠如しているこの男には、その決断ができなかった。野田の本心は、このまま民主党代表選までどじょうの如くのらりくらりと逃げ切り、再選を果たすつもりであろう。
維新政治塾生名簿公開!「週刊ポスト」の努力買うが「総選挙候補」というにはムリがある!
さて、合併号が出揃ったが、意外といっては失礼だが、週刊ポストが充実している。
発売前から話題になっていた「橋下維新『総選挙候補888人』全実名を公開する」が今週のトップ記事。「橋下徹・大阪市長率いる大阪維新の会が主宰する『維新政治塾』の塾生名簿が週刊誌に流出したとされる問題で、維新は4日に開いた維新塾で流出の事実を認め、塾生に謝罪した」(2012年8月5日付毎日新聞)という。小さい字で名前と年齢、判明した者は「会社員」「会社役員」「タレント」「弁護士」「元参院議員秘書」などと記してある。
とっておきのスクープと意気込んでいるが、「維新政治塾の塾生名簿」だから、彼らが選挙に出るかどうかも、出るとしたらどの選挙区なのかもさっぱり分からない。
ポストは「実名掲載の是非は意見が分かれるところであろうが、彼らが『国会議員になる可能性が高い人物』であることの公益性を鑑みて掲載したことをご理解いただきたい」とわざわざ断っているが、実名を公表されたことで困惑している人間も相当いるのではないか。毎日新聞はこう書いている。
「大阪市の男性会社員は『会社に内緒で来ているので困る。国政を狙うグループが、こんな情報管理体制では不安だ』」
私には、今この時点で実名を公表することに大義があるとは思えないが、努力は買いたい。