小原日登美「金」試合前から右目に青タンなぜ?それでも勝った!

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「試合直前の練習でぶつかってしまって」と苦笑い

   小原は金メダルが確定した瞬間、マットにへたり込み泣き続けて、審判に促され正気に返ったほどだった。小原が挑んできたのは51キロ級だった。世界選手権を何度も連覇したが、この階級が災いした。女子レスリングは2004年のアテネ五輪から正式種目となったが、認められたのは7種目ある全階級のうち4種目で、51キロ級は外された。五輪を目指すには体重を落として48キロ級か、体重を増やし55キロ級しかない。

   ところが、48キロ級には妹の真喜子が頑張っており、妹と戦うわけにはいかない。55キロ級には強豪、吉田沙保里(29)がいる。それでも55キロ級に挑戦したが、やはり吉田の敵ではなかった。全日本選手権で吉田に完敗し、「自分は心から笑える日が2度と来ない」と思ったという。

   青森の実家に帰り閉じこもりの生活を送っていたが、レスリングの楽しさが忘れられず、51キロ級で再び世界選手権に挑戦して2連覇する。そんな折、妹が思わぬ話をする。「私は引退するので、今度はお姉ちゃんが五輪を目指して」。48キロ級でロンドン五輪が繋がった。辛い減量にも耐え、10、11両年の世界選手権を2連覇、さらに高校レスリング部の後輩の康司と結婚した。妹の後押しと夫婦で取り組んだロンドン五輪の結果が最高のメダル獲得だった。

   ロンドンのスタジオに出演した小原に、司会の加藤浩次が「1回戦から右目を腫らして出てきて大丈夫かなと思いました」と尋ねる。

   小原「試合直前の練習でちょっとぶつかってしまって」

   キャスターのテリー伊藤「ボクはてっきり旦那さんとケンカしたかと思った」

   スタジオ内で笑いがはじけた。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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