なでしこジャパンが最強のアメリカと金メダルをかけて戦う五輪サッカー女子決勝戦が10日(2012年8月)未明に行われる。アメリカに勝つ秘策はあるか。元日本代表キャプテンの池田浩美に聞いた。
佐々木監督どこまで「リラックスとモチベーション引き出せるか」
なでしこの持ち味は何といっても守備に全員で取り組み、チャンスを捉えて素早い攻撃を行うこと。そのチーム力を生み出すキーマンはやはり佐々木則夫監督(54)だという。その素顔について池田は、「ノリさんは選手と監督の間にコーチを挟まないで直接自分が会話をして、みんなでチームを作り上げていくタイプ」という。
試合を控えた選手の緊張を和らげるのも監督の役目で、佐々木は臭いオヤジギャグを飛ばす。かつてゴンゴ戦の前にこんなことを言った。「コンゴ戦のことは今後考えます」。池田は「試合開始前にもしょうもないこと言っていますが、みんなはあんまり相手にしないで流したりしていましたね。またかよ~みたいに。
常にチーム全体を見て、全員のコンディションを把握してモチベーションをしっかり保つような雰囲気を作っているのはたしかです。オヤジギャグもその一つかもしれないですね」
緊張ばかりでは息が切れる。「緊張と緩和」の使い分けが大事だ。では、選手を緊張させモチベーションをあげる術も佐々木は心得ているという。
池田「なでしこの過去の試合の映像とか、厳しいトレーニングの映像をうまいこと編集し見せていましたね」
昨年(2011年)のW杯でも、あえて東日本大震災の悲惨な映像を見せ、「君たちが日本の皆さんの希望になるんだ」と語っていた。
ワンバック、モーガン抑えて、大野、大儀見で得点
その団結力でアメリカとどう戦えば勝てるか。これまでの戦績は2勝22敗4引き分けという大差だが、池田は戦い方は守りと攻めに一つずつあるという。守りはアビー・ワンバック(32)とアレックス・モーガン(23)に2人で対応し、自由にプレーさせないこと。攻撃は俊敏性に優れる大野忍(28)と決定力のある大儀見優季(25)に決めてもらうことだ。池田はこれで2―1で日本が勝つと予想する。
司会の加藤浩次「この2人にパスを供給する澤穂希(33)と宮間あや(27)が大事になってきますね」
決勝戦は10日午前3時45分キックオフだ。