金メダルを賭けたなでしこジャパンの最終決戦が、いよいよ日本時間のあす10日(2012年8月)未明に迫った。「とくだね!」は強敵アメリカ戦のポイントとなるゴールキーパーの福元美穂(28)にスポットを当てた。
横っ跳び、倒れながらもボールは放さない。準決勝フランス戦ではスーパーセーブを連発し、シュート27本の猛攻によく耐えた。身長165センチは出場チームの全ゴールキーパーの中で最も低いそうだ。佐々木則夫監督は会見で「身体の小さな福元選手が神様に見えています」と語った。どこにその力が潜んでいるのか。
子どものころ「得意なのはドッジボール」でGKに決まり!
福元は鹿児島県指宿市の出身。子どもの頃の福元を知るおばの福元すみこさんは、「保育園の徒競争で転んで、一番ビリからまた走って一番になった。それぐらい頑張り屋です。負けん気が強かった」と話す。サッカーを始めたのは小学校3年の時で、恩師の松下一志さんはこう言う。
「もう男子と変わらない元気さでしたね。ゴールキーパーになったきっかっけは、誰がドッジボールうまいのと聞いたら、美穂ちゃんといったので、それでやってくれないかといったら、『ハイ』といってくれた。誰も教えないのに、結構、面白そうにしっかり捕っていた」
成長するにつれ頭角を現し、高校時代のサイン帳には「世界一のゴールキーパーになる」と書いている。2008年の北京五輪には日本代表の一員として出場を果たした。だが、高いボールを処理できず、6試合で10失点を許した。けがも重なり、11年のW杯では正ゴールキーパーの座を後輩に奪われた。しかし、この経験が闘志に火を付け、猛練習に取り組み今回、成果が花開いたわけだ。
文
一ツ石| 似顔絵 池田マコト