自民党が消費税増税法案に参議院で賛成する条件として、あらたに衆院解散時期の確約を求めて混乱した問題は、民・自の党首会談などを経て野田内閣が「近いうちに」解散するとのことで一応の収束とあいなった。
しかし、「近いうち」っていったいいつなのか。じつに日本政界お家芸の玉虫色の表現に思える。番組コメンテイターの金井辰樹(東京新聞・中日新聞政治部次長)も「極めて曖昧」「よくわかんない時期」などと言う。
「身を切る改革」「景気・デフレ対策」先にやれ!
金井は民自それぞれが「近いうち」を色よく解釈しているといい、早く選挙をやりたい自民党には近いうちとは今国会中であると言う議員がいる一方で、やりたくない民主党には来年の夏(任期満了)だって近いうちだろうなどと言う者があるという。とはいえ、「永田町の相場観」では、だいたい今年(2012年)10月~11月ごろの解散が有力だと話す。
いずれにしても、これで消費税増税法案が10日にも成立することはほぼ決まったが、ほかにもやるべきことがあるはずだと金井は言う。
「最低限、自分たちの身を切ることや景気・デフレ対策をやったあとで解散するという合意のほうがわかりやすかった」
いろいろとわかりにくい「合意」の霧の切れ間に、重い鈍色の消費税増税だけがはっきりくっきり見えてきた。
文
ボンド柳生