この朝(2012年8月7日)の最大のニュースはやはりなでしこだ。強敵フランスを2-1で破って女子サッカーで初めて決勝に進出した。メダル獲得も参加4大会目で初。その色は金か銀か。9日にアメリカと対決する。
アメリカの個人技・スピード・パワー少ない失点で凌げば「金」
フランスとの準決勝は日本時間の7日の午前1時からだった。「サッカーの聖地」といわれるウェンブリー競技場で行なわれたが、予想通りの激しい試合となった。フランスとは五輪前の親善試合で0-2と完敗している。これが生きたのかも知れない。
前半32分、セットプレーから相手GKがこぼした球を大儀見優季が押し込んで先制した。後半4分には、これもセットプレーを阪口夢穂がきれいに頭で合わせて2点目をあげた。31分にくち1点を返され、その直後にPKをとられたが、相手のミスキックで救われた。最後は怒濤のようなフランスの攻めに防戦一方だったが、GKの福元美穂はじめ全員サッカーで逃げ切った。少ないチャンスを確実にものにしたなでしこらしい勝利だった。
終了の笛と同時に大儀見に大野忍が飛びつき、宮間あや、沢穂稀が涙を流して喜んだ。4年前、北京五輪で3位決定戦に破れて悔しい思いをした面々だ。
サッカー解説者の松木安太郎は「きびしいゲームだった。福元がよく守ったね。点を取る人のMVPというのはあるけど、個人的には福元さんにあげたい」という。ロンドンの吉野真治アナも「PKのシーンから座っていられなかった。会場も最後はフランスへの声援が大きくなった」という。
マンチェスターで行なわれたアメリカ・カナダの一戦は、おそらく歴史に残る素晴らしい戦いだった。どちらも同じスタイルのチームで、個人技もスピード、パワーもある。カナダが先制してアメリカが追いつくという展開で、3-3のまま延長戦へ。その後半、アメリカが4点目を入れて決まった。決勝戦はそのアメリカが相手だ。松木は「ワンバックをはじめ相当いいから気をつけないといけない。ただ、日本の方がノッてる。日本は失点が少ない。ここがカギだ」という。