けさ6日(2012年8月)も五輪ニッポンの銀銅メダルラッシュに沸いた「朝ズバッ!」のスタジオだったが、その陰で女子マラソンの不振がひっそりと伝えられた。かつて高橋尚子や野口みずきらの活躍で一時代を築いたが、今回のロンドンでは最高位が16位。すっかり凋落してしまったのである。
「怪我寸前を何度も経験して耐える力が日本の強さ」
TBSロンドン五輪キャスターで、マラソン金メダリストの高橋尚子も表情が曇りがちだ。そんな彼女の見解によれば、不振の原因は一種の臆病さにあるようだ。彼女の現役時代は、その一線を越えると怪我にもつながるが、同時に世界と戦える力を得られる―そういう局面を練習や試合で何度も経験し、積極的に突き進んで結果を得てきたという。しかし、いまの選手は怪我を恐れて守りに入っているように見えると話す。
その結果、身体能力に優れたアフリカなどの選手とは、スタートラインに立った段階で差がついてしまっている。「日本の強みは耐える力、あきらめずに練習を積める精神力」で、それを活かすべきだという。
番組司会のみのもんたはこの頃、メダル云々はたいした問題ではなく、選手はみな頑張っていて、それは素晴らしい的なセリフを判で押したように口にしているが、このときばかりは「うーん、(マラソン)日本勢、たしかにもうちょっと頑張ってほしい」とリクエストしていた。
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト