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尖閣諸島地主・栗原國起氏に巨額借金!東京都と20億円売却で合意

   このところ快進撃を続けている「週刊文春」だが、今週のスクープは「尖閣諸島地権者は『借金40億円』」である。個人的には、なんで今ごろ尖閣諸島なんか買って中国を刺激するのか理解に苦しむが、石原慎太郎都知事が訪米中にいきなり購入計画を発表し、寄付金が14億円も集まったそうである。

   東京都なんぞに買われたらメンツが立たないと、野田首相があわてて国で購入するといい出し、20億円を提示したら、地権者は「石原氏のメンツをつぶすわけにはいかない」と断っているようだ。

   だが、この地権者である栗原國起氏(70)が、約40億円にのぼる負債を抱えていることが文春の取材で明らかになったというのだ。

   「國起氏はさいたま市大宮区の大地主であり、大宮区近辺に多くの不動産を所有している。不動産登記簿謄本によれば、三菱東京UFJ銀行は一昨年3月末、國起氏が所有する物件に極度額24億5000万円の根抵当権を設定し、38件もの担保を取っている。一方、埼玉縣信用金庫も昨年9月に大宮区内の不動産に極度額15億円の根抵当を設定している。

   しかし、埼玉信金が設定した根抵当の担保は、土地2筆(計1000平米)と平屋の建物2棟(延床面積計119平米)の4件のみ。公示地価に照らし合わせると、2億3000万円の価値にしかならない。

   『根抵当権の極度額は担保評価額の110%が一般的ですから、明らかに担保としては足りないですね。尖閣列島の所有者だから取りはぐれはないだろうという見込みで貸し込んだのではないでしょうか』(不動産鑑定士)

   彼が莫大な負債を抱えるにいたった理由を、弟であり一連の報道で地権者側の『スポークスマン』となっている栗原弘行氏に聞くと、次のような答えだった。

『地主は相続対策として、ある程度の負債を抱えておくのが常識ですから』

   だが、ある都幹部はこの弘行氏も國起氏の負債に大きく影響していると話す。

『弘行さんはいろいろな事業に手を出して失敗し、それを國起氏が埋め合わせしたと聞いています』

   一方で、本誌は都が國起氏側と売却金額上限20億円で合意に至っていることをつかんだ。(中略)東京都知事本局は20億円という価格について『進行中の案件につき、詳細はお答えできません』と回答した。(中略)

   日本全国から集めた寄付金を購入資金とする以上、石原都知事は地権者との交渉経緯、購入金額の妥当性等について、きちんと説明することが求められる」(週刊文春Webより)

   もろに影響を受ける尖閣周辺をおもな漁場とする石垣島の上原亀一八重山漁業組合長はこういっている。

「(中略)安全操業が可能になれば周辺海域での漁業が盛んになり、経済実効支配も進むんですよ。石原さんは基本的にそうした考え方をお持ちなので、都の購入自体は望ましい。
   ただ、パフォーマンスが過ぎて中国・台湾を必要以上に刺激しすぎている。そもそも中国漁船とのトラブルはないんです。尖閣を含む北緯二十七度以南は00年発効の日中漁業協定で中国に操業が認められましたから。それと漁法自体が沖縄の船と違うので、競合もしないんです」

   冷静な目で見ているのに、石原都知事と野田首相はわれ先にと札束を積み「没落地主とのマネーゲームの様相を呈している」(文春)ようなのだ。日中関係を悪化させてまで急ぐことではないと思うのだが。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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