ロンドン五輪も中盤に入ってきたが、ここまでのニッポン代表の成果をどう見るか。獲得したメダルの数はわりと多く、連日メダルの話題が目白押しだが、そのなかにもっとも光輝くメダルはあまり含まれていない。
コメンテイターからは「メダルの数でいうと3位ですよ。1位じゃないとダメなんですか。金じゃなくてもいいじゃないですかと言いたい」(与良正男・毎日新聞論説委員)とポジティブに捉えるコメントが聞かれたが、ニッポン発祥、お家芸のはずの柔道(男子)の現状には風当たりが強い。「朝ズバッ!」は「崖っぷち」とのキャプションをつけた。
「コーチの指示待ち選手」じゃ世界に通用しない
柔道男子はメダル4個獲得しているが、金がいまだゼロ。まだ100キロ超級が残っているものの、これに出場するのはあまり有力な選手ではなく、金ゼロでフィニッシュの可能性が高まっているらしい。柔道男子の金メダルゼロとなると、前代未聞の惨事だそうな。
この原因について、ゲストの柔道五輪金メダリストの古賀稔彦は、まず世界の柔道人口の多さやレベル向上を挙げ、「1回戦で負けるかもしれないし、金メダルかもしれない」と実力の伯仲を言う。そして、世界から学ぶべきは、自分で試合をプロデュースする能力だという。ニッポンの選手は最初から最後までとにかく「一本(勝ち)、一本」と、一本勝ちを狙って一本調子になりがちだが、外国の選手は疲れていたらちょっと休んだりと、コントロールしながら戦っている。
また、日本ではとにかくコーチの権威が絶大で、選手は「コーチの指示待ち」になりがちという。自主的に試合を組み立てられる選手の育成が望まれるそうだ。