体操の内村航平(23)が個人総合で金メダルを獲った。ロス五輪の具志堅幸司以来28年ぶりだ。北京では銀に甘んじ、その後は世界選手権で個人総合3連覇。しかし、このオリンピックでは前半は落下や着地ミスが目立っていた。
日本で応援のおばあちゃん「鉄棒で落ちなくてよかった」
内村は「表彰台に上がったら夢かと思いました。やっとここまできた。いろんなものがこみあげてきて…。ただただ、ありがとうと」と話す。会場で旗を振っていた母の周子さんの言葉がよかった。「私は生んだだけですから」。日本で見ていた祖母の小川彰子さんも「鉄棒で落ちなくてよかった」だって。これもよかったな。
まあ、団体ではちょっと歯車が噛み合わなかった。内村も「後味が悪い」といったほどだ。個人総合も予選は9位だったのだから、まさに目が覚めたとしかいいようがない。 苦手のあん馬を無難にこなすと、一気に走った。跳馬と鉄棒では完璧な着地。他を寄せ付けなかった。
記者から「鉄棒で(F難度のコールマンを)抜きましたね」と聞かれ、「抜きました。攻めていくべきところですが、 魔物に食われそうになったので、抜いて正解だったのかなと」と冷静だった。「自分らしさを取り戻した」ともいった。少し前は「練習に裏切られた」なんていっていたのに。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト