「甘党なのでビッグパフェ食べたい、このくらいデカイの」
松本はビデオ出演になった。決勝戦は激しい闘いだったが、松本がバタッと倒されたところで突然終わった。相手のルーマニア選手の反則だった。「相手が技をかけているとき、支えの軸足を内側から刈ってはいけない」というルールがある。松本が倒れたのはそれだった。これをやられると倒れても受け身ができず危険なのだ。
松本の試合前の表情はすさまじい。「相手をにらみ殺す」といわれるほどである。ところが、優勝が決まってコーチにかじり付いた時はくしゃくしゃの泣き顔だった。そしてすぐ笑顔になった。57キロ級では初の金。「自分ひとりだけの金じゃないと勝った瞬間に思いました。48キロ級や52キロ級の分も頑張ろうと思って闘った」と言う。そして、「本当に甘党なので、ビッグパフェが食べたいです。これくらい」と料理のボウルくらいの大きさを手で示しながら笑う。
恩師・岩井克良さんは「一本勝ちなしで金メダルは珍しい。それだけ研究されていた。それでも勝ちましたからたいしたもんです」と顔をほころばす。
司会の赤江珠緒が「ロンドンは深夜零時半を回ったので、松本選手にはおいでいただけませんでした」と断りを入れたら、スケート金メダリストの清水宏保が「ボクのときなんか、夜中でも次から次へと回った」。あれは長野だったもんねぇ。時差がなかったし、清水なら大丈夫だと?(^^)
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト