ようやくロンドン五輪待望の金メダル1号が誕生した。柔道女子57キロ級の松本薫(24)は、決勝戦の対戦相手ユリーナ・カプリイオリウ(ルーマニア)を破った瞬間、「野獣」といわれた鋭い目から涙が溢れた。
レスリングで身につけた「並外れたスタミナと食らいつき」
松本はいったんは「有効」を取ったが取り消され延長へ。延長17秒、バテた相手が苦し紛れに松本の軸足を内側から刈り松本はばったり倒れ込んだ。ギロッと審判を見上げる松本の鋭い眼光、このアピールが効いたのか反則を認め勝負あった!
「金メダルおめでとうございます」と記者が松本に声をかけると、笑顔で「自分ひとりだけの金メダルじゃないと勝った瞬間に思った」と語った。
石川県金沢市出身の5人きょうだいの4番目で、6歳の時に兄に続いて地元の岩井柔道塾に入った。同時にレスリングにも取り組んだ。柔道日本代表の中で一番というスタミナは、レスリングから学んだらしい。柔道を教えた岩井克良塾主も「構え方とかしつこくいくのは、レスリングから得たものですね」と話す。
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モンブラン| 似顔絵 池田マコト