ロンドン五輪の柔道で主審と副審2人のおかしな判定が目立つ。その最たるものが男子66キロ級の海老沼匡(22)が韓国の曺準好と対戦した准々決勝の試合だ。
海老沼が小内刈りで有効を取ったはずなのに、審判にすぐ取り消され、延長戦で決着がつかず、主審、副審による旗審判をなった。優位に試合を進めていた流れから、当然、海老沼の白旗が上がると見ていたら3本とも青色の旗だった。途端に、観客席から大ブーイングが起こったが、その観客の一人がロンドンで取材している司会の加藤浩二だった。「あんなのあるの~、なにこれ」
誤審防止はいいけれど…たびたび試合中断
3人の審判に畳の下でビデオモニターをチェックしていた審判委員(ジュリー)が加わった協議の末、判定のやり直しとなり、今度は3人の審判が海老沼を勝ちとする白旗をあげた。国際柔道連盟は「主審や副審に誤審がないかをチェックする審判委員が問題視し、ビデオをチェックして審判同士が話し合って判定を覆した」と説明したが、後味の悪い判定だった。
これでは審判が柔道の技をきちんと判断できるか疑問だ。技が決まれば背中が付かなくとも有効と判断するのかしないのか、実に曖昧である。いちいち副審を呼んで協議する場面が女子の競技でもたびたび見られた。
畳に背中付けなきゃOKなんてわざとはいえない
だいたい、背中が畳に付く付かないに関係なく、技が決まった瞬間を捉えて「技あり」ないし「有効」とすべきもの。外国人選手は背中をつけないことに必死で、トンボ返りのような格好で逃げる能力ばかりに長けている。
柔道は武道をスポーツにしたものだ。日本人にメダルを取らせないための小手先の見苦しい規則はやめて、そろそろ原点復帰した方がいいと思う。