米軍が沖縄に配備する新型輸送機オスプレイの運用を話し合う日米合同委員会がきのう26日(2012年7月)から始まった。焦点は日本各地で実施される低空訓練だが、日米安保条約では日本政府はこれを拒否できない。
日米安保条約では日本側に拒否権なし
現行機の飛行訓練は全国6つのルートで行なわれており、年間100回から最高四百数十回。ルートに当たる自治体からの苦情は絶えない。このため99の合同委員会で、人口密集地の飛行への配慮、航空法上の最低高度基準(原則150メートル)の尊重で合意している。しかし、訓練自体を拒否できない日本側は、合意も「尊重」の域を出ない。
そんなときに、参院外交防衛委で森本防衛相が「60メートルの飛行もありうる」と答弁してまたまた騒ぎになった。訓練ルートの多くは山岳地帯だが、最低高度は150メートルとされている。しかし、米軍資料には「200フィート(約60メートル)でも環境問題は起こさない」という記述があり、防衛相はこれをいったものらしい。
オスプレイはローターの風圧が強く、アメリカのイベントで立木の大きな枝がバリバリと折れてけが人が出た例もあり、ヘリコプターとはかなり違う航空機だということも、アメリカですらまだよく知られていないようだ。アメリカではオスプレイのイベントを拒否する事例も出ている。
文
ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト