滋賀・大津市立中学2年生の自殺をめぐるいじめ問題をきっかけに、これまでひた隠しにしていた各地の教育委員会や学校が隠しきれないと見ていじめを公表している。先週20日(2012年7月)に、市教委と学校側が発表した埼玉県草加市立中学2年の男子生徒のいじめもその一つだ。被害生徒の母親が「とくダネ!」に真相を訴えた。
「加害生徒は小学校のころからいじめ。クラス編成に配慮を」
いじめがあったのは3か月も前の4月18日だった。加害者の男子生徒数人に「飛び降りないなら金をよこせ」と強要され、被害生徒は1階と2階の間のひさしから3メートル下のコンクリート通路に飛び降り、腰の胸の骨を折る大ケガを負った。母親によると、まだリハビリ中の生徒は「飛べば許してもらえると思い飛び降りた。そのあと上を見たら加害者の生徒たちは笑っていた。それが今も許せない」と話しているという。
この加害生徒たちから小学校時代にもいじめを受けていたため、母親は入学の際に校長にクラス編成で配慮を求めたという。ところが、異動で校長が変わり、新しい校長への引き継ぎが行われず、いじめの主犯格と同じクラスになってしまった。校長に問い質すと、「うっかりしていた」という答えが返ってきたという。母親は「『うっかり』でうちの子がこういう被害にあって大ケガをした。それで済む問題ですかと私は思いました」と悔しさと怒りをぶつける。
加害生徒「補導」でなく「保護」する学校側
20日の会見で校長は、「引き継ぎは行われ対応した」と話しているが、では被害生徒と加害主犯格が同じクラスというのはどういうわけなのだろう。
キャスターの小倉智昭「親が単に学校に要請するだけじゃダメでしょう」
慶大特別招聘教授・夏野剛「こうなるともういじめじゃないですよ。犯罪だと思う」
この中学校のように、結果的に学校が加害者生徒を「補導」でなく「保護」する側に回っているケースが多い。そうした教師の事なかれ、見て見ぬ振りを変えないといじめはなくならない。