自殺生徒を出した滋賀県大津市の皇子山中学校も夏休みに入った。警察は休み中に生徒から任意で聞き取りをするが、対象は300人を超える。いじめはあったのか。どんなものだったのか。同級生の1人がJNNの取材に答えた。
「明るくて、冗談とかけっこう好きで、常に笑っている感じだった。いわゆるいじめられっ子ではなかった」という。自殺した生徒はいじめをしたとされる3人のグループ と去年7月頃(2011年)に仲良くなったが、9月頃からいじめられるようになりエスカレートして殴る蹴るになった。 大勢がそれを目撃していたという。
「9月に陸上競技場であった中学の体育祭で、体を縛られ、ハチを食わされそうになっていた」
「何回か(いじめの)現場を見ていたから、何であそこで止められなかったのかと思うけど、自分も被害にあいたくないし、そこでひと言いえなかったので、今では自分も悪いと思っている人は多いと思う」
「スクール・カースト」からはじき出し標的に
きょう23日(2012年7月)のコメンテーターはスポーツライターの乙武洋匡氏だ。「五体不満足」でベストセラー。3年間、小学教師を務めた。
司会のみのもんた「なんで3人とか数人の生徒にやられちゃうんだろう」
乙武「自分がいつ被害者になるかわからないという恐れでしょう。かばったりすると自分に向くかもしれない。だから、見て見ぬふりになる。いじめは何度も起こってきた。それをいちいち解明していかないといけない」
みの「今回は警察が入った」
乙武「本来その前に学校で解決できればベストだが、できなかった」
みの「地域では模範校といわれている。しかし知らせを受けた先生はあれはケンカだとなった。どういうことですかね」
乙武「模範校が落とし穴だと思う。いじめはどこにでもあるが、模範校といわれることでいじめはあってはならないと隠蔽になる。この学校だけじゃない。いじめゼロを目指すのではなくて、起こったときにどうするか」
みの「いじめって何なんですか?」
乙武「ボクが思うのは、人間関係って関わりが薄ければ感情はあまりない。30人、40人の集団が固定化されると、ヒエラルヒーのようなスクール・カーストといわれるものができる。その中で『あいつはちょっと』というのが出てくのかなと思う」
みの「どこまで解明できるでしょう」
乙武「いくら証言が出ても、学校がいじめはあったといわないと進展しないのかなと」
みの「アンケート2回やって書かれていることに気がつかなかった」
乙武「結論ありきで、いじめはなかったことにしようということなら、アンケートは違うとなってしまう。アンケートで結論を出そうと思えばだれが読んでもわかる」
「先生はいじめないか探して歩け!」
八塩圭子(学習院大特別客員教授)「教師の体験の中で、いじめを認めたくないとか、教育委員会との難しい関係とかを感じたことはありましたか」
乙武「女の子のお母さんが何度も訴えたが、学校はいじめではありません、人間関係です、 行き違いですとなった」
八塩「先生1人の力ではどうにもならないということですか」
乙武「校長と副校長の考えですね」
みの「先生はどうしたいんでしょう」
乙武「いじめがあったという事実をつくりたくない」
みの「いじめも、溺れさす、飛び降りさせる…。そこまでできるものなのですかね」
八塩「そこまでエスカレートさせるのは学校が認めないからでしょう」
みの「先生が(いじめを)探して歩くことはできないの」
乙武「ボクはすべきだと思います」
みの「いじめられている子へのメセージはありますか」
乙武「書きためること。何をされどう思っているかを書く。気持ちの整理にもなり、証拠にもなり、勇気にもなる」
なるほど。しかし、同時にいじめる側の分析もしようではないか。ネットでは凄まじいこと になっているらしいが…。