生かされなかった「これまで経験したことのない大雨」情報―自治体担当者に危機感伝わらず

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地域をはっきりさせた情報じゃないと役立たない

   危機管理防災総室の田中常起副室長は「非常に情報が錯綜していたなかで、どういった形で避難指示をするのか、情報がうまく伝わらなかったかった事実はあります。いろんな機関との情報共有や連携を今後の検討課題にしたい」と反省している。気象庁も危機的状況を呼びかける情報伝達の方法をもう少し工夫した方がいい。

   番組キャスターの国谷裕子は「気象庁としてはどんな思いで伝えたのでしょうかね」と残念がる。静岡大学防災総合センターの牛山素行副センター長は次のように話す。

「(新防災情報は)長い時間雨量が激しく続くことを伝えようとした情報なのだが、もう一つ注意が必要です。日本の中で経験したことがないような大雨ではなく、熊本・阿蘇地方に対し経験したことがないような大雨、どこに対して出されているのかはっきり認識しないとこの情報は生きてこない」

   災害時に市町には多くの情報が集まる。さまざまな情報の中で瞬時にどの情報が重要か判断するのはなかなか難しい。これが最重要だということを多く人が認識できるような表示の仕方を考えることも大事だろう。

モンブラン

NHKクローズアップ現代(2012年7月18日放送「警報は生かされたのか 九州北部豪雨災害」)

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